●『もしも誰かを殺すなら』 P・レイン 論創社 読了。
基本設定はびっくりするくらい型通りで、記述は平易でまったくもって読みやすい。殺しには外連味があって、展開は派手でスピーディー。巻末の訳者あとがきによると、作者パトリック・レインは、あのB級ミステリの女王アメリア・レイノルズ・ロングの別名義だという。なるほどどおりで、と思う。
吹雪の山荘に閉じ込められた人々。互いの殺し合いを促すような奇妙な遺言状。となると、そりゃあ当然連続殺人が起きることになる。あまりにも作り物めいていて少々やり過ぎ感が漂うけれども、ご機嫌なミステリを読んだ満足感はある。