累風庵閑日録

本と日常の徒然

映画とオフ会

●今日から川越の映画館スカラ座で、「角川映画祭」が開催されるという。今まで数カ所で開催された「角川映画祭」はなんとなく行かなかったのだが、今回はなんとなく出かけてみようと思う。すべては気まぐれである。観るのは朝イチ上映の「犬神家の一族」だ。何度となく観た作品だが、スクリーンで観たことはない。これもひとつの機会であろう。

 で、結論として行ってよかった。テレビ、ビデオ、DVDで観るのとは違って、スクリーンで観ると没入感が違うのだ。しかも、今まで気付かなかった「発見」があって、大きな収穫であった。

 梅子が一人で雑誌を読んでいるとき、幸吉がうっかり襖を倒してしまって驚かせて、「勝手に倒れてしまったんだよ……」と言い訳をする。その直後ぼそっとつぶやく台詞があった。その台詞の存在そのものに、全然気付いていなかった。今まで何故聞き逃していたのか。うかつなことである。

●川越スカラ座は、埼玉現役最古の映画館だそうで、実にもう味のある建物、味のある館内であった。当然設備はそれ相応に時代がかっており、今のピカピカの映画館を期待してはいけない。古い映画館で映画を観る、という営みそのものをイベントとして楽しむ心構えが、観客の側に必要になるだろう。あらかじめそういう点を受け入れて臨めば、なかなか楽しい映画体験であった。

●いったん帰宅。昼飯を食って昼寝して、時刻を見計らってまた出かける。今日は夕方から、とある芝居のために遠征に来られる某氏を歓迎するオフ会があるのだ。総勢四名の小ぢんまりとした会で、都内某所の居酒屋に腰を据えて談論風発。私以外の三名様が件の芝居を観ており、話題は専ら芝居話で、私はついていけないかも、とちょっとだけ心配していたのだが、全然そんなことはなかった。話は縦横無尽に広がり膨らみ、楽しい時間を過ごすことができましたとさ。