ふらりと図書館に出かけ、翻訳ミステリの副読本にでもなるかと思って借りてみた。題名はメイドだが、内容は男女問わず英国ビクトリア朝の使用人に関する基礎知識である。そればかりではなく、当時の社会状況にまで広く目が向けられている。記述は平明で図版が多く、私のような知識の浅い者にはちょうどいいレベルであった。
女性使用人のトップに立つ家政婦（housekeeper）と女主人に仕える小間使い（lady's maid）とでは指揮命令系統が違うなんて、へええ、と思う。同様の関係が男性使用人にもあって、トップに立つ家令（house steward）と主人に仕える従者（valet）とで、やはり指揮命令系統が違うそうな。へええ、と思う。
