累風庵閑日録

本と日常の徒然

『蝶を盗んだ女』 鮎川哲也 角川文庫

●『蝶を盗んだ女』 鮎川哲也 角川文庫 読了。

 短編名作選の第十二巻である。描かれている価値観や人物の言動が、なんとも古い。そしてその古さが面白い。昔の日本って、こうだったよなあという感慨のようなものがある。

 作品としては、安心して読める秀作揃い。特に秀逸で面白く読んだのは、切れ味鋭い「殺人コンサルタント」と「小さな孔」、それぞれの方向から事件を追及する様子が興味深い「塗りつぶされたページ」と「あんこう鍋」といったところ。

●老眼である。それは受け入れるしかないのだが、ここ半年くらいで度合いがずいぶん進んだ気がする。この見え辛さが他の眼病でないことを確認するために、眼科に行ってちゃんと検査してきた。で、結論としてただの老眼である。眼鏡の処方箋を書いてもらったので、近いうちに遠近両用眼鏡を作ろうと思う。本を読んだりスマホを見たりする度に眼鏡を外さなきゃならないのが、わずらわしくてやっとれん。