メモを取りながら、四日間かけてゆっくりと読んだ。そうやって取り組むといろいろ気付く点がある。「霧の中の女」の根底にあるのは、それ以前に書かれた金田一ものの長編「(伏字)」ではないのか。「鏡の中の女」の(伏字)ネタはチェスタトンか。「鞄の中の女」は、いくつものネタを重層的に積み重ねたとてもトリッキーな秀作であった。などなど、他にもコメントはあるが、来月のスペース企画で持ち出せるものはそちらで出す。
●創元推理文庫の復刊フェアから、これはという本を買う。
『レディに捧げる殺人物語』 F・アイルズ 創元推理文庫
『この町の誰かが』 H・ウォー 創元推理文庫