累風庵閑日録

本と日常の徒然

『49歳、秘湯ひとり旅』 松本英子 朝日新聞出版

●『49歳、秘湯ひとり旅』 松本英子 朝日新聞出版 を、昨日のうちにさっと読んでしまった。コミックエッセイというやつで、あっという間に読める。それについて今日は書く。

 題名の通り、著者が四十九歳から五十歳にかけての温泉旅行記である。温泉に独り浸かりながら、温泉街を散歩しながら、著者はあれこれ考える。来し方行く末を考え、自分が今何をどう感じているのかを考える。価値観の変化を想い、体力の衰えを実感し、酒が弱くなったと自認する。中年期を過ぎ初老に差し掛かりつつある著者は、自分自身の経年変化に丁寧に向き合う。その変化に、時に驚き、時に楽しんでもいる。

 私は著者とほぼ同世代だし、旅行は基本的に独りだ。酒は弱くなったし、いろいろどうでもよくなってきている。感覚的に通じるものがあるのだ。なにやら沁みる、のである。そして同時に、温泉に行きたい気持ちがむくむくと盛り上がってくるのであった。

●お願いしていた本が届いた。
金田一じゃないです 宇田川豪大戯曲文庫1』 ブイツーソリューション