累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ドイル全集2』 C・ドイル 改造社

●『ドイル全集2』 C・ドイル 改造社 読了。

改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第十一回として、第二巻で残っていた「スターク・マンロオの手紙」を読んだ。青年医師が独り立ちしようとして人生に苦闘する、手紙形式の物語である。どうやらドイルの自伝的小説のようで、ドイルその人に興味をお持ちの向きには興味深く読めるのかもしれない。

 登場人物が多彩で、その点は面白い。たとえば半狂人の知人カリングワース、アルコール依存の引退した船乗りホアイトホール、血筋のプライドに凝り固まっている愚かな母親、といったところ。だがなにしろストーリー性が希薄だし、宗教がらみの議論を長々やるしで、ページが進まない。二百ページを読むのに三日もかかってしまった。

●プロジェクトは今後も継続し、来月からは第三巻に取り掛かる。