累風庵閑日録

本と日常の徒然

2017-11-12から1日間の記事一覧

『毒の矢』 横溝正史 角川文庫

●明日は仕事なので、今日は観光なしでさっさと切り上げる。早朝の名鉄で名古屋に向かい、八時半の新幹線に乗る。車内で読み残していた『毒の矢』 横溝正史 角川文庫 を読了。ストーリーは原型版ほぼそのままで、伏線や心理描写が書き加えられることで完成度…

簡単なお仕事

●朝から電車に乗って街に出る。電車の中で「扉の中の女」を読み、『金田一耕助の帰還』に収録されている「~の中の女」シリーズ三編を読み終えた。三編ともに、あれっと思うほどあっけない。ショートショートか探偵クイズのような読み味である。金田一耕助が…

神の毒の当たり矢

●光文社文庫の『金田一耕助の帰還』から「毒の矢」を読む。平日は朝しか読めないので、八十ページのこの作品に二日かかってしまった。読んでなるほど。中傷の手紙で金品を要求し、樹の根元に埋めておくよう指示する辺りが「神の矢」で、事件の中心となる趣向…

関係ない「当たり矢」

●春陽文庫の佐七シリーズ『梅若水揚帳』から「当たり矢」を読む。ええーっ、「神の矢」と全然関係ない話やん。まあ内容としてはいかにもミステリらしい趣向があって面白かったけれど。これと「毒の矢」がどうつながるのか、そして「神の矢」と「毒の矢」がど…

二つの「神の矢」

●朝のドトールで「むつび」版の「神の矢」を読んだ。中央線のC駅から二里ばかり、高原の温泉場で巻き起こる「一種不可思議な、得体の知れぬ妙に薄気味悪い事件」……のオープニングである。なにしろ連載一回だけなのだから、物語が動き出す間もない。登場人物…

『サム・ホーソーンの事件簿I』 E・D・ホック 創元推理文庫

●『サム・ホーソーンの事件簿I』 E・D・ホック 創元推理文庫 読了。いくつかコメント。「呪われた野外音楽堂の謎」驚くほど多くの伏線が散りばめられていて、収録作品中のベスト。「乗務員車の謎」夜行列車での旅の様子が楽しい。「そびえ立つ尖塔の謎」…