無差別連続殺人鬼が跳梁するスリラー。次から次へと殺人が起きる派手な展開だが、ハイひとり死んだ、ホレもうひとり死んだ、といった感じでひとつひとつの事件があまりに軽い。おかげでサスペンスに乏しく、ならばそのかわりロジックの面白味があるかというと、それも少々心細い。ある条件で容疑者を絞り込み、そこから先真犯人は誰かを（伏字）。ううむ、ちっとばかり残念な出来であった。
●論創海外ミステリは、ある程度規模の大きな書店でないと置いてない。置いてるとしても、ある程度刊行時期の新しいものがほとんどである。最寄りの「置いてる書店」では、現在最も刊行時期の古いのが『狂った殺人』である。
つまり論創海外を、新刊書店で簡単に手に入る本まで読み進めたということだ。こうやってどんな形であれ指標が見えると、些細な達成感がある。その月の新刊をその月に読む状態までには、まだ二年くらいはかかりそうだけど。
