累風庵閑日録

本と日常の徒然

人形佐七捕物帳

●書店に寄って本を買う。
『四つの凶器』 J・D・カー 創元推理文庫

●お願いしていた本が、二方面から届いた。
『七つの燈』 A・K・グリイン 湘南探偵倶楽部
『クラファムに住んだ男』 E・ウォーレス 湘南探偵倶楽部
『チャリイの匕首』 E・フィルポッツ 湘南探偵倶楽部
『酩酊紳士』 小酒井不木 湘南探偵倶楽部

『完本 人形佐七捕物帳 一』 横溝正史 春陽堂書店

●今日入手した本の中で、最注目は人形佐七だ。なにしろ、編集方針が素晴らしい。各種異本を比較対照して本文を決定、だそうで。巻末解題によれば、春陽文庫機械的な文字の置き換えを行っており、「原文尊重主義を主流とする今日においては、本全集の底本とすることを控えた」とのこと。

 てっきり春陽文庫のテキストそのままかと思って、企画を知った当初は実はあまり期待していなかったのだ。せっかく出すんだから応援のつもりで買っておくか、という程度の気持であった。ところがどっこい、パンフレットに記載されたこの方針で、俄然期待が高まった。実際、巻末解題の詳細な記述は実に興味深い。