累風庵閑日録

本と日常の徒然

「知恵の一太郎」

光文社文庫江戸川乱歩新宝島』から、「知恵の一太郎」を読んだ。内容は、申し訳ないが他愛ないと言う他はない。むしろ面白かったのは巻末の解題で。底本とした戦後の初刊本は、初出誌における戦時色が消されているそうな。その比較が具体的に挙げられているのが興味深い。

 たとえば
【「初出誌」⇒「初刊本」】
「雪の手榴弾を」⇒「雪玉を」
「愛國行進曲を」⇒「歌を」
「かりに君たちが斥候兵として」⇒「かりに君たちが探偵として」

●さて、明日からは別の本に手を出す。