●午前中から野暮用。今回は毎月の定例以外にイレギュラーな対応が発生して、大幅な時間超過。ほとほと気疲れしてしまった。やれやれ。
●『女郎蜘蛛』 Ｐ・クェンティン 創元推理文庫 読了。
強烈な傑作。オーソドックスなミステリでは、謎の解明に取り組む名探偵にとって、事件はいわば他人事である。ところがこの作品では、語り手の主人公が事件の当事者で、首まで泥沼にはまり込んでいる。自らの破滅か事件の解明か、というぎりぎりのサスペンスが強烈。
題名になっている「女郎蜘蛛」の造形が強烈。ストーリーに密接に関わるので詳しくは書けないけれども、読了してみると題名はこれしかない。そして結末の、（伏字）。
●年内最終更新で今年を振り返るってのを毎年やっている。その年に読んだうちで面白かった本を順位もコメントも無しに挙げるのだが、『女郎蜘蛛』は間違いなく入選である。
