累風庵閑日録

本と日常の徒然

『シャーロック・ホームズの大学』 長沼弘毅 実業之日本社

●『シャーロック・ホームズの大学』 長沼弘毅 実業之日本社 読了。

 シリーズ中の酒が登場するシーンを列挙した部分がちょっと面白かった。そこから読み取れるのは以下のような情報である。ウイスキーと水という組み合わせはほとんど登場せず、ウイスキーに合わせるのには専らソーダ水が使われている。ブランデーはほぼ気付け薬としてのみ用いられている。ホームズはアルコールに耽溺はしなかったが、酒の味の分かる男であった。だからどうしたという訳でもないが、なるほどと思う。

 これで、長沼弘毅の一連のシャーロキアン本全九冊を読み終えた。歴史的意義が大いにある著作なのだろうが、私には興味を感じられない部分も多く、読むのに難渋することがあった。特に、現実とフィクションとを意図的に混同させるアプローチは、まるで共感できない。その辺りでは、目が活字の上をただ滑ってゆくだけであった。どうも、私のようなシロートが手を出す本ではなかったようだ。

●書店に寄って本を買う。
『処刑台広場の女』 M・エドワーズ ハヤカワ文庫

●注文していた本が届いた。
『林檎の種』 馬場孤蝶訳 ヒラヤマ探偵文庫
『英国犯罪実話集2』 ヒラヤマ探偵文庫