累風庵閑日録

本と日常の徒然

『シャーロック・ホームズの世界』 長沼弘毅 文藝春秋

●『シャーロック・ホームズの世界』 長沼弘毅 文藝春秋 読了。

 オーソドックスなシャーロキアン本。扱われているテーマは、ホームズの芝居気、コカイン、変装、電話と電報、医者としてのワトスン、など。第五章「ホームズとピストル」で語られる、ホームズはピストルの腕前にはあまり自信がなかったという論考はちょっと興味深い。

 本書の歴史的意義には敬意を表するが、テーマによってはあまり興味を感じられず、そうですか、と思うしかないものも少なくない。全体ではさっと流す感じで読んでしまった。私はシャーロキアンではないので、やむを得ないことである。