累風庵閑日録

本と日常の徒然

『完全犯罪大百科(下)』 E・クイーン編 創元推理文庫

●『完全犯罪大百科(下)』 E・クイーン編 創元推理文庫 読了。

 展開にメリハリがあって、意外性や捻りが仕込まれている作品が好みである。そういう意味で気に入った作品はトマス・マクモロー「ケリハー事件」、T・S・ストリブリング「海外電報」ってなところ。シンクレア・ルイス「柳の並木道」は、作品の内容よりもこのアンソロジーに収録されたこと自体にちょっとした意外性があった。冒頭のコメントを読むと、その意外性は編者クイーンの意図であることが分かる。