累風庵閑日録

本と日常の徒然

塔上の奇術師

光文社文庫江戸川乱歩全集『ふしぎな人』を細切れで読む。今回は「塔上の奇術師」である。内容は相変わらずで、全体については特にコメント無し。一応はコウモリ男という怪人が登場するが、ごく早い段階で四十面相の正体を現す。その点はちょっと新鮮であった。正体不明の恐ろしい怪物……ってな白々しさをいつまでも引っ張らないのがいい。