累風庵閑日録

本と日常の徒然

『ドイル全集3』 C・ドイル 改造社

●『ドイル全集3』 C・ドイル 改造社 読了。

 「改造社の『ドイル全集』を読む」プロジェクトの第十六回として、第三巻を読み終えた。最後の作品は「クルムバアの悲劇」である。訳者は延原謙。以前別の本で読んだときはあまり感銘を受けなかったけれども、再読の今回はちと面白かった。たぶん、再読だからこそ感想が変わったのだ。それぞれのシーンの意味をあらかじめ知って臨むと、味わいも違ってくるだろう。

 読みどころは少なくない。たとえば中盤以降のある場面はストーカーの「吸血鬼ドラキュラ」を連想する不気味さだし、回想シーンの戦闘場面は三國志を読むようだ。結末部分は、(伏字)小説の面白さがある。

 このまま順調にいけば、年末か来年早々には第四巻を読了できるであろう。