●『シャーロック・ホームズ健在なり』 長沼弘毅 番町書房 読了。
著者のシャーロキアン本も七冊目、今回の内容は主にドイルの伝記である。注記を見ると情報の多くはカーが書いたドイル伝に基づいていようなので、詳しいことはそっちを読んだ方がいいだろう。単行本を買ってあるから、いつか読む。
第四章「文筆で立つ」にて、「ボヘミアの醜聞」とポオの「盗まれた手紙」とで小説構造の比較を行っている。寄り道的な記述だが、この部分が一番興味深かった。両者がこんなに似た骨格をしているとは。ポオのミステリをきちんと読んだことがないので、新鮮だし得るものがある。中公文庫で出たポオのミステリ選集を買ってあるので、いつか読む。