累風庵閑日録

本と日常の徒然

『山田風太郎新発見作品集』 出版芸術社

●『山田風太郎新発見作品集』 出版芸術社 読了。

『橘傳来記』に収録された「朝馬日記」は二ページ分欠落があったということで、それを補って本書に再収録されている。つくづく、マニアさん向けの本であるな。私はホンの上辺だけの風太郎ファンなので、おつかれさまです、と思う。「乳房」は、最終ページの結末と執筆日とを目にすると、作者の意図しないその後の惨禍を想像してしまう。収録作中のベストは「雪女」であった。やはりこの手のミステリ風味が好みである。

●さて明日から、上下巻二段組み六百ページの小説を読み始める。単純にページ数だけを考えたら四、五日で読了できる分量だが、実際にはなかなかそうもいかない。今までの経験から、描写も会話も読むのがしんどいことになるのが分かっている。また、今度の週末は横溝系のイベントに参加するため、読書時間が乏しくなる。というわけで、明日から長くて一週間ほど、この日記の更新を停止します。よろしくお願いします。