累風庵閑日録

本と日常の徒然

『迷路荘の惨劇』 横溝正史 角川文庫

●『迷路荘の惨劇』 横溝正史 角川文庫 読了。

 先週から続けてきた、迷路荘改稿読み比べの一環である。ようやく長編までたどり着いた。中編版から大幅にページ数が増えることで、描写が丁寧になり展開が細やかになっている。中編版の不満点が解消され、ミステリとしての完成度が高くなっている。ただ、あらたにツッコミ所や疑問点も生まれているのだが。今回の読み比べの目的は、某企画向け原稿の下準備である。短編、中編、長編の比較はそちらに書くので、ここでは詳しいことは省略。

●この週末に二泊三日で、原稿執筆オフに参加してきた。長野県某所の温泉旅館に、総勢五名で籠もったのである。観光旅行ではないし何かイベントがあるわけでもない。一応は同じ部屋に集まるけれども、参加者それぞれが抱えている原稿に黙々と取り組む企画である。ただ、本当に厳しくストイックに原稿を書き続けるわけではない。酒も飲むし雑談もする。その辺の適度ないい加減さがリラックスにつながり、かえって原稿が進むという寸法である。

 結論として、とても有意義な企画であった。家にいたらついついYoutubeやその他インターネットをだらだら眺めてなかなか原稿が進まないのだが、予想以上に上記の比較原稿が捗ってしまった。ありがたいことである。参加者各位にとっても好評だったようで、またやりましょうということになっている。