累風庵閑日録

本と日常の徒然

『狼の一族』 若島正編 早川書房

●某所で開催された某イベント(これじゃあ何がなんだか)に参加するため、月曜に有給休暇を取って土曜から二泊三日で北海道に行ってきた。詳細は、主催者殿が発行する同人誌に収録されるはずである。

●『狼の一族』 若島正編 早川書房 読了。

 異色作家短編集の第十八巻、「アンソロジーアメリカ編」である。巻末の編者あとがきに曰く、誰が読んでも少なくとも一、二編は気に入ってもらえる短編があるという。なるほど確かに。

 ジーン・シェパード「スカット・ファーカスと魔性のマライア」は、子供の世界の残酷さと彼らの領域で繰り広げられる決闘の緊迫感とがよく伝わってくる。R・A・ラファティ「浜辺にて」とジョン・スラデック「他の惑星にも死は存在するのか?」とは、よくわからない内容であることがぼんやりとした面白さを発揮しているような作品。

 個人的ベストはジャック・リッチー「貯金箱の殺人」であった。二転三転する物語が、先を読みたい気にさせる。

羽田空港から帰宅する途中に、書店に寄って本を買う。
『夜の挽歌』 鮎川哲也 光文社文庫