累風庵閑日録

本と日常の徒然

『葵の影法師』 東映京都撮影所

●『葵の影法師』 東映京都撮影所 読了。

 山田風太郎江戸忍法帖」を原作とした脚本である。「準備用」としてある。前将軍のご落胤で主人公の足柄悠太郎と、権力の座を求めて陰謀を企む柳沢吉保との闘争を描く。吉保が差し向けた、奇怪な忍法を使う甲賀九人衆と悠太郎とのチャンバラがお約束。吉保の娘鮎姫が悠太郎のホの字にレの字だが、悠太郎には幼馴染のお縫いという娘がいて、鮎姫は嫉妬と悲恋に苦しむ。いかにも大衆娯楽映画である。

 山田風太郎の「江戸忍法帖」は十六年前に読んだ。脚本との差異をチェックしたいところだが、内容はきれいさっぱり忘れているし、手元にあるのか手放したのかさえ定かではない。Wikiを読むと、大筋は保たれているようだ。

 この脚本は、どうやらそのままの形では制作されていないらしい。監督は小沢茂弘、脚本は鈴木平吾とあるが、検索してみると監督倉田準二、脚本鈴木平吾・高田宏治の「江戸忍法帖 七つの影」という映画がひっかかる。脚本では主人公足柄悠太郎には松方弘樹が当てられているが、実際の映画では里見浩太朗が演じているそうな。ネットで読めるあらすじを確認する限り、ストーリーもいろいろ違っているようだ。