累風庵閑日録

本と日常の徒然

『キング・コング』 E・ウォーレス/M・C・クーパー 角川文庫

●『キング・コング』 E・ウォーレス/M・C・クーパー 角川文庫 読了。

 原作小説ではなく脚本からのノベライズである。巻末解説によれば実際の筆者はデロス・W・ラブレーだそうで。どのバージョンであれ映画を観たことがないので、本書で初めてキング・コングのストーリーを把握した。これがまた予想外に面白い。

 ぼんやりとしたイメージと違って、髑髏島のパートがずいぶん長いのが意外であった。むしろこの部分がメインのようで。島での冒険のくだりを読んでいると、小学生の頃ヴェルヌの『地底探検』を子供向けの訳で読んだときの興奮を思い出す。具体的には、岩崎書店エスエフ世界の名作シリーズである。

●これをきっかけに検索してみると、なんと当時夢中になった「エスエフ世界の名作」が、「冒険ファンタジー名作選」と名前を変えて割と最近まで生きていたらしい。現在は品切れのようだが、これは驚き。

●注文していた本が届いた。
『人造人魚』 大河内常平 盛林堂ミステリアス文庫