累風庵閑日録

本と日常の徒然

『米・百姓・天皇』 網野善彦/石井進 ちくま学芸文庫

●『米・百姓・天皇』 網野善彦石井進 ちくま学芸文庫 読了。

 ふたりの歴史学者の対談集である。他の本や論文の内容を前提に語られている部分が多々あって、それを知らない私には荷が重い。どこまで理解できたか覚束ないが、素人が上辺だけをなぞる読み方でもずいぶん刺激的である。

 いくつか記憶に残った点を挙げておくとたとえば。古代律令体制の元で国家が統一されたのではなく、実際は従来からの地域的共同体の首長が各地に割拠していた。日本文化即ち稲作文化ではなく、実際は雑穀、柿、栗等が食料の中で大きなウェイトを占めていた。

 明治新政府が作成した本格的な戸籍「壬申戸籍」では、漁業、林業、養蚕等に従事する者や副業的に農業を営んでいる者などを全て「農」としてひとくくりにしてしまったので、国民の生業分布を反映していない。

●注文していた新スマホが届いた。だが、うっかり確認してなかった充電端子の仕様が、手持ちの充電器とは違ってやんの。対応する充電器を注文した。そいつが届くまで、機種変更はおあずけである。とんだうっかりさんだ。

●注文していた本が届いた。
『亡命客事件』 大下宇陀児 湘南探偵倶楽部
『海底の情鬼』 大河内常平 湘南探偵倶楽部