累風庵閑日録

本と日常の徒然

2017-08-01から1ヶ月間の記事一覧

月明かりの男

●書店に寄って本を買う。『月明かりの男』 H・マクロイ 創元推理文庫●今月の総括をやる。買った本:七冊読んだ本:十一冊今月は途中でふいに読みたくなった横溝作品を読めるだけの、時間の余裕があったのがありがたい。

『消えたボランド氏』 N・ベロウ 論創社

●『消えたボランド氏』 N・ベロウ 論創社 読了。 なかなかの傑作であった。謎の設定が強烈。真相はシンプルでいながらトリッキー。まあ途中で気付いてしまったけどな。探偵役が個性的。ドタバタと言っていいほどのユーモアを散りばめつつも、次々と死体が登…

台所重宝記

●書店に寄って本を買う。『台所重宝記』 村井弦斎 中公文庫『ホームズ、ロシアを駆ける』 久野康彦編 国書刊行会『古典名作本の雑誌』 本の雑誌社村井弦斎は嬉しい。平凡社ライブラリー版が気になっていたのについうっかり買い逃し、新刊書店から姿を消した…

『真珠郎』 横溝正史 角川書店

●『真珠郎』 横溝正史 角川書店 読了。 あるきっかけがあって、「真珠郎」を再読した。角川文庫で読んでもよかったのだが、せっかくだから六人社版の復刻本で読むことにする。内容は同じだが、積ん読を消化する意味もある。そして実際手に取ってみると、旧字…

講演会

●午前中は野暮用。●午後はとある講演会を聴講。民俗学系のネタは久しぶりで、なかなか刺激的。そっち方面の本を読みたくなる。●合間に横溝正史を読み始めた。昨日まで読んでいた香山滋は中断。

いろいろ資料

●朝から病院。三ヶ月毎の定期通院である。●本はちくま文庫の香山滋を読んでいる。似たようなパターンが続いて、飽きてきた。多分この本、明日くらいでいったん中断する。●某氏から資料が届く。いろいろ興味深いが、何しろ量が多いのですぐには全体を把握でき…

『アンジェリーナ・フルードの謎』 A・フリーマン 論創社

●『アンジェリーナ・フルードの謎』 A・フリーマン 論創社 読了。 死体が発見されないままこんなに引っ張るとは思わなかった。いつまで経っても失踪事件のままで、殺人事件に発展しないのが少々退屈。大ネタのひとつを支えるのが、専門家しか知らないある情…

検索機能復帰

●早稲田の演劇博物館で、蔵書検索ができなかった理由が分かった。十九日まで、サーバーのメンテナンス中だったそうな。それはいいのだが、メンテナンス中はその旨の告知ページにすらアクセスできなかったから、状況が不明だったのだ。 現在は復帰しているの…

文化村の殺人

●この土日、横溝正史ファンの総勢四人で温泉に行ってきた。 土曜の昼、温泉街の散歩と共同浴場二軒のはしごとで、なにやら疲れてしまった。三時過ぎに宿に入り、一息ついてまた出かける予定だったが、参加者一同根が生えたように動けなくなる。結局そのまま…

『魔女を焼き殺せ』 A・メリット 徳間書店

●『魔女を焼き殺せ』 A・メリット 徳間書店 読了。「ワールド ホラー・ノベル シリーズ」の一冊である。この作品はつい最近、アトリエサードのナイトランド叢書から新訳が刊行された。このような動きは喜ばしいことである。だが、そいつを買うかどうかは話…

花嫁殺人魔

●今月から新規の横溝関連プロジェクトとして、「人形佐七映画のシナリオを読む」を始める。手元に四冊あるシナリオを、原作と読み比べてみる趣向である。さらに、たった四冊ではちと物足りないので、早稲田の演劇博物館に所蔵されているシナリオも、読み比べ…

『大尉のいのしし狩り』 D・イーリイ 晶文社

●『大尉のいのしし狩り』 D・イーリイ 晶文社 読了。 素晴らしい。個別の作品にはコメントしないが、びっくりするくらい粒揃いの、上質な短編集。

市川崑『悪魔の手毬唄』完全資料集成

●昨日買った本は『市川崑『悪魔の手毬唄』完全資料集成』 別冊映画秘宝編集部編 洋泉社映像関連には深入りしないことにしているので、当初は買わないつもりであった。だが書店で実際に手に取ってみると、こいつは買っておかなければ、という気になった。●今…

『殺意の海辺』 J・D・カー他 ハヤカワ文庫

●『殺意の海辺』 J・D・カー他 ハヤカワ文庫 読了。 それぞれ百ページほどのリレー中編二作品を収録した本。表題作は、他愛ないと言っては申し訳ないが、軽い味のスリラー。ヘヴィー級のクラムリーを読んだ後には、この軽さが口直しに好適である。最終章で…

『友よ、戦いの果てに』 J・クラムリー ハヤカワ文庫

●『友よ、戦いの果てに』 J・クラムリー ハヤカワ文庫 読了。 銃とドラッグとアルコールと、失踪人探しと殺し合いと。たまにはこういうハードなアクション小説も、口が変わって新鮮である。 で、読んでる間新鮮なのはいいけれども、事件のそこここに曖昧で…

『喜劇悲奇劇』 泡坂妻夫 角川文庫

●『喜劇悲奇劇』 泡坂妻夫 角川文庫 読了。 犯人捜しに頭を巡らすよりも、物語の展開を楽しむ作品。奇術ネタと言葉遊びとが満載で、密度の高さが嬉しい。そして途中の捻りに驚く。流されてたどり着いた結末では、複雑な犯行の全貌がきちんと整理され、同時に…

『エアポート危機一髪』 H・ウェルズ 論創社

●『エアポート危機一髪』 H・ウェルズ 論創社 読了。 題名から想像したパニック小説では全然なかった。ストーリーは割と平坦だし、主人公が真相にたどり着く経路にもちと甘いところがある。相手役の男が少々愚かでだらしなく、魅力に乏しいのも心細い。まあ…

『J・G・リーダー氏の心』 E・ウォーレス 論創社

●朝から病院。人間ドックの受診である。鼻から挿す胃カメラは、やはりえげつない。●『J・G・リーダー氏の心』 E・ウォーレス 論創社 読了。 傑作!……今日はこれだけ。人間ドックで疲れたのか、なんだかがっくりきてしまった。明日もっとちゃんとした感想…

『笑う肉仮面』 山田風太郎 光文社文庫

●『笑う肉仮面』 山田風太郎 光文社文庫 読了。 一番気に入ったのは「水葬館の魔術」である。手掛かりをきちんと配置し、殺人方法に趣向を凝らし、読者への挑戦や部屋の見取り図まである、本格ミステリの秀作。表題作「笑う肉仮面」も面白い。特殊技能を持っ…