●『アリバイ』 A・クリスティー原作/M・モートン脚本 原書房 読了。
国書刊行会から出始めた奇想天外の本棚のシリーズは、できるだけ早いタイミングで読んでいこうと思う。そこでまずは準備として、以前原書房から出て三巻で途絶した、初代奇想天外の本棚を先に読むことにする。
舞台での上演を前提にした脚本では、例の大ネタを使えない。そうすると、実にオーソドックスな犯人探しミステリになってしまう。そして私はオーソドックスなミステリが好物なのだ。ポアロが犯人に気付くきっかけとなった(伏字)なんてのもそれらしくて嬉しい。犯人の工作も今読むと微笑ましく、それもまたクラシックな味わいで好ましい。久しぶりの直球ストレートなミステリを大いに面白く読んだ。