「少年小説コレクション」の第二巻である。後半の時代小説二編が、とにかくもうノリノリでスピーディーで御機嫌であった。どちらかといえば「地雷火童子」の方が好み。地雷火はどこにあるのか、という謎が全体を貫く芯となっているし、その真相もいい感じである。あくまで相対的な話ではあるが、場面がくるくる変わってその度に幻術妖術が飛び交う表題作「神変不知火城」よりは幾分か地に足が着いているので、物語の筋を追う読み方ができた。石原豪人の挿絵もお見事である。
●書店に出かけて本を買う。
『シャーロック・ホームズとミスカトニックの怪』 J・ラヴグローヴ ハヤカワ文庫