●『至妙の殺人』 L・J・ビーストン/S・オーモニア 論創社 読了。
◆ビーストン集
オチ一発勝負ではなくて途中の展開も面白かったのは、トラブル解決のアイデアがなるほどと思える「約束の刻限」、パイプの持ち主をもっともらしい推理で突き詰めてゆく「パイプ」の二編。
◆オーモニア集
四年前、探偵小説全集第十四巻『暗い廊下/グレイ・ファントム』を読んだ。その時の日記から一部引用すると、「作風は多彩だが、全般的に穏当で平板。ミステリに備わっていて欲しいスリルやサスペンスに乏しかったり、短編小説に備わっていて欲しい捻りや切れ味に縁遠かったりの作品が目立つ」。
本書の収録作は、上記の本に全て含まれている。なんと、全て再読なのであった。結果として、今回も同様の感想を持った。あえて題名を挙げてコメントを付けるならば表題作「至妙の殺人」で、ミステリ色が強く展開にもちょっとしたネタがあって、一番面白かった。