●『小鬼の市』 H・マクロイ 創元推理文庫 読了。
第二次大戦中のカリブ海を舞台にした、サスペンス色の強い作品。時代設定が設定だけに、事件にはなにやらスパイだの敵組織だのの臭いが漂う。真相を導くための伏線がいろいろ仕込まれている点は嬉しいが、犯人(伏字)する結末は、ちょっと冷静になる。
ところで、ミステリに意外性の演出はつきものである。本書にももちろん意外さが盛り込まれているのだが、その方向性こそが意外であった。事件の真相よりもこちらの驚きの方が大きい。
●注文していた本が届いた。
『異聞シャーロック・ホークス』 吉本研作 あけび書房