累風庵閑日録

本と日常の徒然

探偵作家コンクール

●午前中は野暮用。

●午後は久しぶりのジム。うっかりサボり癖がついてしまうと、あっという間に日が経ってしまう。今日はなんと半月ぶり。いかんいかん。

●しっかりした読書に取り組む気分ではないので、昨日届いた「探偵作家コンクール」を読む。問題編も回答編も見開き二ページしかないから、内容はまことに他愛なく、感想というほどのものはない。以下、どんな内容なのか簡単なメモ。

◆問「?」 小栗虫太郎
 沈没間際の汽船で避難の指揮をしている、一等運転手(ママ、航海士の間違い?)の山路。そこに現れたのが、汽船会社社長の関に瓜二つの、松野と名乗る老人。老人は山路に向かって関を批判し始めた。場面変わって三年後、急死した関の棺桶を覗き込んだ山路は、思わず驚きの声を上げた。

 という内容で、問題編というよりも話のきっかけのようだ。どんな事件が起きるのかすら、回答編の作家に任せてしまっている。

◆答「二つの屍体」 横溝正史
 棺桶の中には、社長そっくりの死体が二つ入っており、どちらが本物の社長か判断できない。しかも片方は自然死、もう片方は毒殺されていた。

◆答「名探偵帆村」 海野十三
 死因に不審の点があり、死体はすでに解剖されていたが、執刀の小栗医師が失踪して騒ぎになっている。山路は名探偵帆村氏に解決を依頼した。

 作家海野十三が虫太郎の出題にケチをつけつつ、考えたあらすじを語ってゆく、という体裁。

◆答「教訓」 久生十蘭
 一旦は驚いた様子を見せた山路だが、すぐに何食わぬ顔で棺桶の蓋を閉めると、やがて関の家族と分かれる。そこに関の二女ユミ子が現れ、ある告白を語り始めた。

◆答「護謨樹の秘密」 木々高太郎
 棺桶に入っていたのは、関ではなくて松野の死体だった。

 探偵役として志賀博士が登場する。

◆「墓地の怪漢」 甲賀三郎
 覗き込んだ瞬間、死体のはずの関の瞼が動いた。狼狽した山路がもう一度見ると、やはり死んでいるとしか思えなかった。

 この作品はある種のリドルストーリーになっている。

◆「仮死社長」 大下宇陀児
 死んでいる社長が動き出した。実際は死んでおらず、仮死状態になっていたのだ。

◆「漫画回答」 横井福次郎

 犯人は(伏字)だというナンセンス編。あらすじなんかない。