累風庵閑日録

本と日常の徒然

『明治・大正・昭和 日米架空戦記集成』 長山靖生編 中公文庫

●『明治・大正・昭和 日米架空戦記集成』 長山靖生編 中公文庫 読了。

 いい気なもんだぜ感が漂う、無邪気な戯言が多かった。コメントを付けたい作品は少ない。福永恭助「科学小説 暴れる怪力線」は、戦前の防諜小説にありがちな「わるいがいじんをやっつけてやりました」であらすじ紹介が済むような作品ではなく、ちょっとした予想外の起伏と展開とが好ましい。河岡潮風「日米石油胆力戦争」は、今でいうサラリーマン、当時の腰弁を覇気がない人間の屑とののしる暴言ぶりが(伏字)を遠巻きにして眺めているみたいで楽しい。明治の作品なので、その文章には著者の意図しない古くささの魅力がある。

●注文していた本が届いた。
『囁く電話』 H・レヴェレージ ヒラヤマ探偵文庫
『ボンド街の歯科医師事件』 H・H・C・ギボンズ ヒラヤマ探偵文庫

●先日の東京文フリで買った本。
『密林の医師』 渡辺啓助 盛林堂ミステリアス文庫
『『新青年』趣味XXIII』 『新青年』研究会
横溝正史犬神家の一族』草稿翻刻』 解纜ブックレット