●『最後の一撃』 E・クイーン ハヤカワ文庫 読了。
そもそもの発端から解決までに半世紀かかるという期間設定がダイナミックで、関係者の後年の情況を読むと諸行無常……と思う。そりゃあクイーン青年も歳をとるわけだ。
実は(伏字)だったという意地悪クイズみたいなネタには、馬鹿馬鹿しさすれすれの楽しさがある。しかも書き方の工夫と途中の捻りとでインパクトを増しているのがちょっとしたもの。
十二という数への執拗なこだわりや、互いのつながりが見えない数々の贈り物の謎など、クイーンらしさが随所に感じられる。犯人設定もある種のクイーンらしさがあるし、読者への挑戦までもあって、全体とても楽しい本であった。
●注文していた本が届いた。
『英国犯罪実話集』 ヒラヤマ探偵文庫