2019-01-01から1年間の記事一覧
●各方面にお願いしていた本がいろいろ届いた。 『冷蔵庫の中の屍体』 楠田匡介 noir punk press 『高架線の戦慄』 M・G・エバハート 湘南探偵倶楽部 『火傷をした楠田匡介』 大下宇陀児 湘南探偵倶楽部 『浜尾四郎全集2 殺人鬼』 沖積舎 本は、桃源社の浜…
●午前中、横溝正史の短編「女怪」を再読。そのココロは。 午後から、浅草の昭和モダンカフヱ&バー「西浅草黒猫亭」で朗読ライブが開催される。開店二周年記念イベントだそうで。そこで題材となるのが、件の「女怪」なのである。予習として、まずは作品を読…
●『ポジオリ教授の冒険』 T・S・ストリブリング 河出書房新社 読了。 探偵が推理によって事件の意外な真相を解き明かす。と書けば型通りの短編集なのだが、本書はその意外さの質がどうも異様である。また、ポジオリ教授と相手との会話がどことなく噛み合わ…
●『お楽しみの埋葬』 E・クリスピン ハヤカワ文庫 読了。 こいつは傑作。とにかくまず、読んで面白い。個性が際立って魅力的な人々が繰り広げる、軽快でどこか奇妙な物語。その中で、ミルズ牧師の家にまつわるエピソードには驚く。こんな突拍子もないネタを…
●『岡村雄輔探偵小説選II』 論創社 読了。 二巻目の本書の方が断然読みやすい。「ミデアンの井戸の七人の娘」のような装飾過多な書きっぷりが無くなり、堅実な味わいが出てきた。収録作中では、「幻女殺人事件」と「通り魔」とが双璧であった。 メインの長…
●『葬儀を終えて』 A・クリスティー クリスティー文庫 読了。 読むのは二度目。以前実家の本を整理したとき、既読のハヤカワ文庫が見あたらなかった。気になっていたところにクリスティー文庫が発刊されたので、新刊で買っておいた。それ以来積ん読だったの…
●今月の総括。買った本:五冊読んだ本:十一冊 今月はあまり買わなかった。
●『菊池幽芳探偵小説選』 論創社 読了。 メインの長編「宝庫探検 秘中の秘」が面白い。宝探しと、宝を横取りしようとする敵を相手にした闘争の物語である。中盤までは、今読むとありきたりの展開と言っていい。そして、ありきたりだからこそ実に分かりやすく…
●午前中は野暮用。 ●用事を終えて帰宅途中、書店に寄って本を買う。 『短編ミステリの二百年1』 小森収編 創元推理文庫 ●お願いしていた本が届いた。 『左門捕物帳 鷺十郎捕物帳』 横溝正史 捕物出版 『Re-ClaM eX vol.1』 とうとう、とうとう出たのだ左門…
●横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第十六回として、昭和七年に雑誌『探偵小説』に掲載された、A・A・ミルン「赤屋敷殺人事件」を読む。作品自体を読むのはこれで三度目。過去の二回はあかね書房のジュブナイルと、創元推理文庫である。…
●『サーカス・クイーンの死』 A・アボット 論創社 読了。 まず、主人公サッチャー・コルトの造形がしんどい。警察本部長の立場で部下や協力者を夜中にたたき起こし、あれこれ命令し、怒鳴りつける。容疑者、関係者に対しては尊大で強引。自らの知見や仮説を…
●『蘭郁二郎探偵小説選II』 論創社 読了。 まず、全体的にトーンが明るく、ときにとぼけた可笑しさが漂う作風が好ましい。密室殺人をはじめとする不可能犯罪が頻出するのが楽しいし、その真相が他愛ない……と言っちゃあいけない、牧歌的なのも微笑ましい。…
●『白昼艶夢』 朝山蜻一 出版芸術社 読了。 個人短編集の中には、内容が濃過ぎたり好みに合わなかったりで通読に骨の折れるものがある。本書がまさしくそのタイプで、いやどうも、疲れた。 とはいっても気に入った作品はある。「不思議な世界の死」、「変面…
●『十二の奇妙な物語』 サッパー 論創社 読了。 全体として、なんと素朴な作品集であることか。扱われているテーマは、愛するが故の嘘、義務と愛との相克、自己犠牲、裏切りと復讐、等々。外連味もなく、全体をひっくり返すような捻りもなく、それらのテーマ…
●某図書館から、お願いしていたコピーが届いた。予想よりも早い対応で、ありがたいことである。ブツは雑誌『EQ』に連載された、イザベル・マイヤーズの「殺人者はまだ来ない」全三回である。 去年論創社から出た『疑惑の銃声』は、ミステリとは次元の違う…
●『天狗岬殺人事件』 山田風太郎 出版芸術社 読了。 「山田風太郎コレクション」の第一巻である。以下、気に入った作品にちょっとだけコメントを付ける。 ガス栓に(伏字)というネタが嬉しい「この罠に罪ありや」。全体的にナンセンスながらミステリの結構…
●『グリーン・マン』 K・エイミス 早川書房 読了。 長編怪奇小説である。一応は。M・R・ジェイムズが扱いそうな題材に現代的な味付けを施して長編に仕立てたような作品。現代イギリスの酒場兼宿屋「グリーン・マン」に、十七世紀に死んだはずの学者の幽霊…
●『古書ミステリー倶楽部III』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 同一テーマのアンソロジーも三冊目ともなると、作品選択に苦労の跡がうかがえる。全ての文学はミステリである、と言ったのは阿刀田高だったか誰だったか記憶が曖昧だけれども、そ…
●某図書館からようやく、コピー代金の納入通知書が届いた。直ちに手配をしたが、今日は土曜日である。実際に入金されるのは週明けになるだろう。その後コピー作業を行って郵送となると、ブツを入手できるのは早くても来週半ばになる。同封の書面には、入金確…
●『岡村雄輔探偵小説選I』 論創社 読了。 収録作中のベストは「盲目が来りて笛を吹く」であった。ただし百点満点ではなくて、(伏字)過ぎるという部分に不満はある。犯人の計画の、根本的な部分でも引っかかりを感じる。が、それ以外は伏線沢山だし推理の…
●『鉄仮面』 ボアゴベ 講談社文芸文庫 読了。 面白い。面白いぞボアゴベ。すっかり見直してしてしまった。冗長で退屈だろうとの事前の予想を大きくはずれて、いやもう、面白いのなんの。ボアゴベをミステリ作家の枠で捉えるのは間違っているのかもしれない。…
●今月の総括。買った本:十二冊読んだ本:十冊 今年になって、古本を六冊買った。そのうち四冊が今月の購入である。そのせいで購入総数が増えてしまった。読む方は、終盤にボアゴベなんて大物に手を出してしまったので、十一冊は読めなかった。
●書店に出かけて本を買う。 『臆病一番首』 山本周五郎 新潮文庫 新発見の現代ミステリが二編収録されているというのをツイッターで知ったので、早速購入。ツイッターは有益な情報が得られて、つくづくありがたいことである。 ●お願いしていた本が届いた。 …
●某図書館から、昭和二十五年十二月に『少女サロン』に掲載された、横溝正史「片耳の男」のコピーが届いた。初出は昭和十四年九月の『少女の友』で、原題は「七人の天女」である。その後、昭和二十九年に偕成社の『青髪鬼』に「片耳の男」の題で、昭和三十年…
●書店に寄って本を買う。 『見知らぬ者の墓』 M・ミラー 創元推理文庫 『生まれながらの犠牲者』 H・ウォー 創元推理文庫 『名探偵カッレ 城跡の謎』 A・リンドグレーン 岩波書店 ●ボアゴベ『鉄仮面』が、予想を大きく上回って面白い。ページが順調に進ん…
●今日から、講談社文芸文庫のボアゴベ『鉄仮面』を読み始めた。上下巻でトータル千二百ページを超える大部の代物である。私の読書ペースだと、順調にいっても一週間はかかるだろう。したがって、当分の間読了日記は書けないことになる。あしからず。 ●先日コ…
●『魔女の不在証明』 E・フェラーズ 論創社 読了。 いわゆるロマンティックサスペンス風味の作品。主人公が嘘をつき情報を隠すことで物語を維持する手法は、私の好みから遠く遠く隔たっている。途中からもうすっかり醒めてしまって、犯人も真相も、割とどう…
●午前中は野暮用。 ●帰宅して昼寝してから、横溝プロジェクト「横溝正史が手掛けた翻訳を読む」の第十五回をやる。 ◆「砂嚢」 バロネス・オルチ (昭和十年『新青年増刊』) レディ・モリーの事件簿シリーズの一編。一年前、裕福な女主人が殺された。今は弟…
●『甦る名探偵』 ミステリー文学資料館編 光文社文庫 読了。 角田喜久雄「霊魂の足」がベスト。複雑な犯罪の経緯がよく考えられている。梅雨時の湿気に悩まされる加賀美の様子が執拗に描かれ、この作者らしいねっとりとした雰囲気が迫ってくる。そして、ビー…
●注文していた本が届いた。 『ルパン、100億フランの炎』 ボワロ=ナルスジャック サンリオ 『織姫かえる』 泡坂妻夫 文藝春秋 久しぶりの古本買いである。宝引の辰捕者帳の最終巻は文庫落ちを待っていたのだが、もういい加減待てなくなってしまった。